青汁の名前の由来

緑色なのに、なぜ青汁という名前なのでしょう。
考えてみれば青リンゴも青葉も青菜も青虫も、緑色なのに名前に堂々と青を冠しています。
とても素朴な疑問です。

まずは青汁の起源について。
それは千年以上も前にさかのぼります。
日本最古の医学書である、医心方という書物にその記録が残されています。
葉の汁を煎じて薬にしたり、患部にあてて怪我の治療をする民間療法が記されていて、それが青汁の起源とされています。
そして、青汁の名前の由来についてです。
白し 黒し 赤し そして、青し。
古来日本では、色を指して使う形容詞はこの四つしか存在しなかったのです。
かつての人々が見ていた景色が、明確にどんなものだったのかを想像するのは難しいですが、植物ひとつとったとして、たった四つの形容詞でその全ての色を表現出来るかと言ったら、それは無理なことだったでしょう。
それをクリアするために、青し、という形容詞は青色だけでなく、緑色も含んで使われていたのです。
緑色のものを指して青しと表現していたということです。

そして青は色そのもの以外にも、若々しい様や新鮮さ、生き生きとした様子を表現する言葉しても使われ、野菜は青物、と呼ばれていました。
まさにその名残が、青汁という名前の由来であるといえるでしょう。
ちなみに青汁という名前を命名したのは、医師の遠藤仁朗という人物です。
彼は太平洋戦争当時、日本を襲った食糧難の対策として大根の葉や野草を搾り、青汁を開発しました。
当時は、あおしると呼んでいたのですが、それが徐々に変化して青汁として定着したのです。

緑色なのに青を冠する言葉は、青汁だけでなく他にも様々あります。
青春、青年、青少年、青臭い、青二才などなど。
これらは、若々しさや新鮮さを「青し」と表現していた時代の名残であり、その成り立ちはどこか青汁に通じるものがあります。
若々しく新鮮な様を表現する、青をその名に関した青汁。
まさに若々しいからだづくりを維持する健康食品にぴったりの名前といえるでしょう。